
「DX先進県 愛媛県からのオファー、実証実験パートナー募集&交流会」が開催されました
2023年2月7日、大阪市内にある「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」にて、愛媛県から実証実験を企業にオファーするイベントが開催されました。オファーするのは、今治市、大洲市、久万高原町の3つの自治体。それぞれの自治体が持つ強みと課題をアピールし、「ぜひ、うちを実証実験の舞台にしてみませんか?」と参加者に提案していきます。
今回は、「DX先進県 愛媛県からのオファー、実証実験パートナー募集&交流会」のイベントをレポートします。
イベントは、「QUINTBRIDGE」で開催されました。
「QUINTBRIDGE」は、西日本・大阪 京橋から企業・スタートアップ・自治体・大学等のパートナーと共に、「業界・地域課題の解決」と「未来社会の創造」をめざしている、NTT西日本が運営するオープンイノベーション施設です。
当日は、会場に19人、オンラインで43人にご参加お申込みを頂きました。
今回のイベントでは、愛媛県の今治市・大洲市・久万高原町が、参加者に向けて「実証実験をうちで行いませんか?」とオファーをしていきます。会場は、参加者からの質問も積極的で活気あるものになりました。
【タイムテーブル】
15:10~15:30 愛媛県発表&質疑応答
15:30~15:50 今治市発表&質疑応答
15:50~16:05 休憩
16:05~16:25 大洲市発表&質疑応答(オンライン)
16:25~16:45 久万高原町発表&質疑応答(オンライン)
【愛媛県】
まずは、愛媛県デジタルシフト推進課の重松さんが「愛媛県ってこんなところ」と気候や特産品など、愛媛県について説明をします。その後、県のDX推進の基盤である「エールラボえひめ」について、特に「DXコミッション」のことを丁寧にお伝えしました。
DXの実証実験において、関係機関との調整にワンストップで対応し、実証実験プロジェクトを推進していること。さらには、先進的なデジタル技術の一早い実装が目標であることを伝えました。今までに41のコミュニティ、76のプロジェクトが立ち上がっており(2023年2月現在)、令和3年には県内の全自治体と「DX協働宣言」を結び、20の市町と仲良く連携していることが強みだとアピールしました。
その後、各自治体にバトンタッチし、それぞれが参加者にオファーをします。
【今治市】
発表は今治市からスタート、会場に参加した「市民が真ん中課」の藤岡さんが登壇されました。2023年「住みたい田舎ランキング」の全4部門で1位を獲得したことや、今治市の暮らしやすさをアピール。その一方で、「どの自治体も言えることではあるが、人口減少が課題」と伝えました。
今治市は、平成28年に四国で唯一の「国家戦略特区」に指定され、その「国家戦略特区」を活用したドローンやAIなどの近未来技術に関する実証実験や2025年の関西・大阪万博の目玉と言われる「空飛ぶクルマ」の実用化に向けた取組にも力を入れており、「一緒に実証実験をしたい方はぜひ!」と呼びかけます。
特に、「国家戦略特区」においては、市町村や公的主体(都道府県公益法人等)に限定されていた「道の駅」の設置主体を民間事業者に拡大した初のモデルケースを実施したことをアピール。現在は、全国展開されており、「道の駅」の魅力とサービスを向上させたと発表しました。
国家戦略特区とは?
大胆な規制・制度改革を実行し、「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を創出することを目的に設置された制度で、自治体や事業者が創意工夫を生かした取り組みを行う上で障害となっている規制の特例措置や関連する改革等を区域限定で実施している。
特区エリアでの活動実績に応じて全国で展開されている。

画像引用元:https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/topic04.html
発表後は、参加者からの質疑応答の時間に移ります。しまなみ海道を使った観光についてなど、会場からたくさんの質問や意見が飛び交い、今治市の発表は終了しました。
【大洲市】
大洲市は、オンラインで参加。大洲市商工産業課の井上さんより、伊予の小京都と呼ばれる街並みや、近年ではインバウンド向けの観光に力を入れていることなど、大洲市の説明が行われました。
大洲市の今回の実証実験のテーマは以下の3つ。
- 観光
- 農林業
- DX
(1)の観光については、文化や歴史を残すために町家を活用した観光まちづくりの紹介が行われ、クラフトと食と音楽をテーマにしたイベント「城下(しろした)のMACHIBITO」の開催や土蔵から宿泊施設にリノベーションした
「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」などの紹介、2022年には「グリーンデスティネーションズ・ストーリーアワード」(オランダ)にて、「文化伝統保存部門」においてファイナリストに選出されたことなどをアピールしました。その一方で、保全が必要な物件が数多く残されており、これらの物件を利用した事業の展開を参加者に向けて提案しました。
(2)の農林業においては、大洲市の基幹産業であるにも関わらず、後継者不足が課題となっています。
お互いの「したい」を一緒に具現化できる企業と繋がりたいとお話しされました。
(3)のDXでは、マイナンバーの普及率が高い大洲市(70%以上)で、マイナンバーを活用したプロジェクトを提案できる企業や、デジタル技術を活用して地域課題の解決を目指す企業と繋がりたいということでした。
最後に、大洲市では官民共創の拠点施設として、コワーキングスペースやサテライトオフィスの整備を検討しているとアピールをして大洲市の時間は終了しました。
【久万高原町】
最後は久万高原町。久万高原町のまちづくり営業課の西岡さんが、オンラインで実証実験の場としての久万高原町をアピール。
久万高原町は、町内の90%以上が森林です。それゆえ、町内には森の中など携帯電話が通じないエリアが点在し、主幹産業である林業では施業場所からの緊急時救助要請や業務生産に関わる連絡ができない等の課題を抱えていました。この課題を解決するために、町役場は、林業の安全性と生産性の向上を図るため、「LPWAを使用した通信システム」を構築しました。
現在、町内の林業関係者を対象に、LPWAシステム内で使える専用の子機「ジオチャット」を無料で貸与しています。LPWAシステムの通信圏内であれば、ジオチャットから直接久万高原町消防本部へ救助要請を行うことができるシステム等を説明しました。

画像引用元:引用元:https://www.kumakogen.jp/soshiki/17/13061.html
<ジオチャットの特徴>
- 起動中は3分に1回、自動で位置情報を送信。位置情報はサーバに蓄積され、経路情報としても確認可能。GPS、準天頂衛星対応。
- ジオチャット本体のSOSボタンを押すと、位置情報・時刻・端末の識別情報を送信
→ 事前に持ち主を登録しておけば誰からのSOSか分かる。
- 専用アプリを使うことによってチャットコミュニケーションが可能。
※専用アプリの使用には、ジオチャットとBluetooth接続ができるスマートフォンやタブレット等の端末が必要。
このジオチャットは、林業での施業場所からの緊急時救助要請のために導入されていますが、防災分野や農業分野でも近年では使われています。
これらのことから、このジオチャットを使った実証実験はもちろん、久万高原町が抱えている課題「公共交通機関が減少している」ことにおいての実証実験も実施してほしいとオファーをし、発表を終了しました。
発表後は、写真撮影の時間!
写真撮影が終われば、イベントは終了。
イベント終了後は「名刺交換会」と「親睦会」で、参加した方々が繋がっていきます。
自治体の方々と自由にお話ができ、参加者は思い思いに過ごしていました。
初の大阪での開催となったエールラボえひめのイベントは、大盛況に幕を閉じました。
今後、このイベントがきっかけとなったDXコミッションが立ち上がるのか楽しみです!!
- 団体の概要
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エールラボえひめ
- プロジェクト紹介
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DXを推進する実証実験の誘致をしたい
募集なし
自治体
実証実験を通じて、先進的なデジタル技術の県内での実装を促進し、地域の活性化・DXの推進を目指します。
所属コミュニティ
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主担当者
大西 広晃
プロジェクト実施時期
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活動エリア
愛媛県外