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これからの世の中を生き抜くために必要な力つける! 体験型キャンプ場が作りたい

これからの世の中を生き抜くために必要な力つける! 体験型キャンプ場が作りたい

宇和島市の三浦半島の先にある蔣淵(こもぶち)地区。自然が豊かなこの地域で、大自然を満喫するだけではない、「知的好奇心を満たす体験型のキャンプ場が作りたい!」とプロジェクトを立ち上げたのが清家裕二さん。ワクワクがぎゅっと詰まったようなこのキャンプ場は、2022年3月の完成を目指しています。今回のプロジェクトインタビューでは、普段は宇和海郵便局局長として働かれている清家さんにお話を伺いました。

大自然とITを掛け合わせた、ここだけの体験を提供したい

廣瀬:シーカヤックに釣りや籠漁などの漁師体験、一夜干しや缶詰を作る加工製造体験、さらには今時流行りのユーチューバー体験など、「大自然」と「地域」そして「IT」が体験できる「知的好奇心を満たす体験型キャンプ場プロジェクト」は、すごく楽しそうだと思いました。蔣淵にキャンプ場を作ろうと思ったきっかけを教えていただけますか?

清家さん:はい。私は2003年にそれまで働いていた東京の会社を辞めて、故郷の地元の蔣淵に戻って来ました。当時は、バブルが崩壊して少し経っていた時で、お酒を飲みながら幼馴染や地元の人たちと蔣淵の衰退についてグチを言っていたんです。でも、「グチを言っているだけでは変わらない、何か地域を元気にするための活動を始めよう!」と思って幼馴染と「こもねっと」を結成したのが、私が地域活動に力を入れるようになったきっかけです。

美しい海でのシーカヤック体験は大人気!

 

廣瀬:「こもねっと」は、宇和島市の蔣淵地区で地域活動をされている団体ですよね。地域の特産物を使った加工品の開発販売、地域イベントの開催、こもぶち密着型情報誌「コモマガ」の発行など、精力的に活動されている印象があります。この「こもねっと」の活動を通じて、繋がる場所としてのキャンプ場を作りたいという想いに至ったのでしょうか?

清家さん:そうです。私たちの活動の理念として、「人と繋がる」ことを掲げていて、人と繋がり交流していくことが大切だと思っています。それは直接交流することだけではなくて「交流人口」や「関係人口」として蔣淵とつながってくれる人を増やしていきたいという想いがあります。

「こもねっと」として活動をしていく中で、転機になったのが学生の体験学習の受け入れを始めたことでした。地域について学びたい小・中学生、高校生、大学生を受け入れて蔣淵に滞在してもらい、地域の人と触れ合って様々なことを経験してもらいます。大学生の受け入れでは「地域の課題を発見解決して、チームに寄り添ったリーダー(サーバントリーダー)になる」というカリキュラムが組まれていたこともありました。

その後、体験をしてくれた学生が、学校を卒業しても蔣淵に遊びに来てくれるんですよ。それだけ蔣淵という場所に魅力があると思いますし、この地域にいろんな人が訪れた時、体験ができる「場」としてのキャンプ場が作れないかな・・・という考えになりました。

また、ちょっとレベルが高すぎて恥ずかしいくらいなんですけど、このプロジェクトは、ただ蔣淵にキャンプ場を作りたいのではなくて、私たちが暮らす宇和島市の課題を解決できる社会起業家を育てる、起業家アカデミーとしての役割を担うという目標もあります。

廣瀬:「社会起業家を育てたい」という目標があるから、ただ「大自然を満喫する」ではなくて、「地域の自然や産業」と「デジタル/IT」といった、一見、相反するようなコンテンツを掛け合わせた体験を提供するキャンプ場を作ることを目的にしているのですね。

蔣淵に滞在し、体験学習をした大学生たち

世界の経済とリアルに繋がり、
環境問題を身近に感じられる蔣淵の魅力

清家さん:蔣淵って世界経済の動きをリアルで知ることができるんです。例えば、宇和島の真珠が売れているときは、中国とヨーロッパの景気がいいときといわれています。

蔣淵は、宇和島市の三浦半島の先にある本当に小さな地区なのですが、学習の一環として体験場所に選ばれるには理由があります。
それは、先ほどの真珠の例のように、こんなにも小さな場所でも世界の経済とちゃんと繋がっていることが分かるからなんです。それもかなり身近で感じることができます。

廣瀬:なるほど。他に具体例を教えていただけますか?

清家さん: はい、魚の養殖でいうと海外の繋がりは「餌」なんですよね。今は、人口が増えているので餌となる小さな魚の取り合いなんです。餌の小魚が高騰すると、養殖業者は魚を使わない、植物性の餌を使うなどの工夫をしたりもします。

そして、そこから市場に出荷され、飲食店やスーパーに並び、みなさんの食卓に上がる。そこまでの流通経路も身近に感じられます。

もちろん環境のこともあります。地球温暖化でいえば、海水温が上がってしまい、蔣淵にも10年くらい前から珊瑚ができるようになってしまいました。それまでは蔣淵には珊瑚はありませんでした。

また、環境問題で言えば、海洋プラスチックの話は話題に上がってくると思いますが、「じゃあ、それを無くすにはどうしたらいいの?」ってなった時に、やっぱり釣り具や漁で使う網などの漁具の話になるんですよね。でも、その市場は大きなもので、釣りが好きな人も多いですし、宇和島には漁や養殖を生業にしている人も多いので、いろんな意見が出て来ます。いろんな意見と葛藤、それに課題をこの地区で感じて考えることができるのです。

 

廣瀬:なるほど!本当に直接的に世界の経済や環境問題と繋がっているんだと感じました。

清家さん:こういったことをうまく体験に繋げていきたいと思っています。そして、私自身も小学生と中学生の子どもを持つ父親として、特に子ども達にはこの体験を通してこれからの時代を生き抜く上で大切な力を身につけてほしいと思っています。

これからの社会は「尖ったところ」が勝負 

これからの世の中を生き抜く力を身につけてほしい

廣瀬:「これからの時代を生き抜くのに必要な力」とはどういったことでしょうか?

清家さん:私の個人的な意見なのかもしれないのですが、まず、自分の中に「尖ったところ」がある人は魅力的だと思います。その尖ったところって、いろんな考えがあると思いますが、例えば、自分が住む地域をきちんと自分の目で見て知って、その視点で世界を見ている。

これって、そこでしかできない経験で、その視点や経験って自分の中の「尖った部分」に繋がると思います。ただ塾に通って、勉強ができて、成績良くて大学に行って社会人になるのでは、都会で育った人達には勝てない。

私自身、大学で関東に出てその後10年間、東京で働きましたが、自分の出身地もきちんと知らない、尖った部分がない。そういう意味で負けているなって感じたことがたくさんありました。

 

廣瀬:わかります。私も、東京の大学に進学して、東京の友人から地元のことを聞かれた時、「何もないところだよ」としか言えませんでした。今思えば、いいところがたくさんあるのに、大学生の頃の私は、何も知りませんでした。

清家さん:そうなんです。帰ってきたらいいところたくさんあるのに・・・。そういった「郷土を知る・愛する」ということも人の「尖った部分」を作り上げる要素になるはずだって思っています。

あと、もう一つは真珠の養殖も魚の養殖も、みかん農家さんだって、自然を相手にしています。自然相手の商売は、不確実な世の中にある産業の中で、不確実の最たるものではないかと思います。もちろん天候には左右されるし、さらに厳しいのは相場にも左右される。そういった現実を一緒に話したり考えたりすることで、不確実な世の中を生き抜く力になるんじゃないかなって。

学校では教えてくれない、そういったことを学ぶ人材育成プログラムを作っていきたいと思っています。

「負けて帰ってきた」ではなくて「選択して帰ってきたんだ」と自分を納得させるために・・・

廣瀬:そもそも清家さんは、普段は郵便局局長さんとして働かれていて、こもねっとの業務に関しては完全ボランティア、活動時間も郵便局での仕事の時間とは完全に切り離し、100%プライベートな時間を割いて活動されているとお聞きしています。なぜそこまで蔣淵のために頑張れるのでしょうか?

清家さん:確かに完全ボランティアで活動をしていますが、「地域のために命を懸けて・・・」といった崇高な人間ではないですよ、私は(笑)。

実はうちの実家は、明治の初めから代々この地区で郵便局局長を務めてきた経緯があります。ちなみに私は5代目です。

先ほど、東京の会社で働いていたとお話させていただきましたが、詳しく話すと商社の不動産部で不動産開発の仕事をしていました。

子どもの頃の夢が社長になることだったんですけど(笑)、就職活動をする時、商社はたくさん子会社を作るから社長になれる・・・みたいに大学の先輩にアドバイスをもらって、じゃあ、商社に就職しようって安直に考えたんですよね。でも、入社すると自分より能力が高い人は大勢いる、それに商社特有の営業の駆け引きも苦手、この仕事をずっと続けるのはしんどいなと思っている時に、父親が引退するということになって。それが働き始めて10年目の頃だったんですけど。

社長になる夢も叶いそうにない、仕事は向いていない、父親が引退する。この3つの理由で商社を辞めようと決めたんです。

こう言うと「負けて帰って来た」って感じる人もいるかもしれないけど、そんな風に自分で思うのが嫌なんだと思います。蔣淵に帰ってきて、地域が荒れていくと自分も荒れていきそうで・・・。「俺は負けていない、選択して帰って来たんだ」って自分を納得させるために地域のために活動している部分が大きいんだと思います。

エールラボえひめを通して協力者を募りたい

廣瀬:キャンプ場を作っていくのはいつ頃からスタートなのでしょうか?

清家さん:着手は9月中旬を予定しています。建物はすでに一つあって、そこをリノベーションして管理棟にする予定です。管理棟には利用者が自由に使用できるキッチンやシャワールームなどを設備します。 キャンプ場には常設のコンテナゾーンが2区画、そして、テントを張るデッキゾーンを4区画作る予定です。来年の3月に完成を目指しています。

4、5、6月が岩牡蠣の旬で、最高に美味しい季節になるので、そこに合わせたいなと。

 

廣瀬:エールラボえひめを通して、そのキャンプ場を作ることを手伝ってくれる人が集まれば良いなという感じでしょうか?

清家さん:はい。もちろんキャンプ場ができたときは、エールラボえひめで告知をしていただいてみなさんに周知していただきたいのですが、まずはキャンプ場を作ることを手伝ってくれる方に集まっていただきたいです。これからデッキなどを作る予定なので作業をお手伝いいただける方や、デザインができる方、プロじゃなくてももちろんいいので、こういった作業をお手伝いいただける方に集まって頂ければと。また、みんなで作っているこのキャンプ場をSNSで発信してくれる方にもご協力いただけると嬉しいです。

さらに、このプロジェクトを社会起業アカデミーにまで成長させていく過程で、必要になってくるのが教育カリキュラムを作れる方です。

例えば、みかん農家さんで面白い人がいるから体験に取り入れよう、林業の体験ならこの人に頼もうなど要素的なことはたくさんあるのですが、その社会起業アカデミーと体験要素を埋めるものがないんです。学校で言えば、校訓や教科書に当たる部分だと思うのですが。

そういったところの教育プログラムの仕組みを作れる人がいない。

この部分を一緒に相談しながら、形にしていってくれる方にもお手伝いいただきたいです。

また、体験をする時、先生は例えば漁師さんや農家さんだとします。でも、その漁師さんや農家さんは、魚を獲ることみかんを育てることは知っているけど、教えるとなるとまた別なんですよね。そういったことを取りまとめてくれる方にも協力していただきたいですね。

 

廣瀬:キャンプ場を作ることを手伝ってくれる方はもちろんだと思いますが、社会起業家を育てるとなった場合の「体験」と「参加者」をつなぐ仕組みを作れる方も大募集しているということですね。

清家さん:はい、その通りです。

私自身、蔣淵に対して抱いている想いがあります。ここの地区ってもともと網を引く漁をしていたところなんです。そういう意味でも「みんなで協力する」ということが潜在的にある地域だと思っています。だから、みんなで一体になれる地区だと信じています。新しいことにチャレンジするのは苦手でも、一人じゃなくてみんなでやって、ガンとハマればこの地区はさらに魅力のある地域になると思うんです。

廣瀬:新しい地区に生まれ変わらせたい?

清家さん:生まれ変わらせるというよりは、今の力を発揮できるステージにみんなで行こうよ!新しい海に漕ぎ出そうよ!みんなで進もうよ!という感じです。

そのきっかけにこのプロジェクトがうまく機能してくれればいいなと思っています。

団体の概要

知的好奇心を満たす体験型のキャンプ場が作りたい!

プロフィール

清家裕二

愛媛県宇和島市蔣淵出身

高校まで宇和島市で過ごし、「現代の諸葛孔明になる」という大志を持ち茨城県の大学に進学するも、全く勉強せず・・・。そのため理系学部であったにも関わらず、教授推薦をもらえず文系就職。10年間商社の建設不動産部に籍を置き、様々な経験と素敵な人との出会いを得る。2003年に故郷である蔣淵に帰り宇和海郵便局局長に就任。地元の仲間と地域活性化を目指し、「こもねっと」を立ち上げ現在に至る。

プロジェクト紹介

知的好奇心を満たす体験型キャンプ場プロジェクト~社会起業家アカデミア~

参加者募集中

事業者

■海に囲まれたキャンプ場を作ろう!■ 宇和島の海に飛び出した三浦半島の先っぽの蒋渕地区。宇和海足摺国立公園に指定された美しい海と四国のみならず全国から釣り師が集まる豊かな海に囲まれています。 その誇るべき環境を最大限に活かした体験型キャンプ場「GO-HIGHTAKA」を新しく作ります!  体験その① 大自然や海の生業を間近で見るシーカヤック体験  体験その② 釣りや籠漁を行う漁師体験  体験その③ 一夜干しや缶詰を作る加工品製造体験  体験その④ 体験動画を編集配信するユーチューバー体験 こんなキャンプ場を一緒に作ってみませんか? 本事業は「事業再構築補助金」採択事業です。 現在、基本設計を行っております。 本事業に賛同いただけるメンバーの皆さまと一緒にプロジェクトの詳細の検討を進め、施設の建築を行ってまいります。 ※画像は建設予定地のgoogleMapです。3つゾーンで構成します。

所属コミュニティ

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主担当者

清家 裕二

プロジェクト実施時期

2021年11月

活動エリア

宇和島市

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